パルスの周波数または周期を
カウンタを使用して高分解能で計測

  パルスの周波数と周期は逆数の関係にありますので、どちらかが正確にわかれば、もう一方は計算で求めることができます。 高い周波数のパルスは周波数を計測し、低い周波数のパルスはバルス周期を計測するのが一般的な方法です。
  では、広範囲の周波数で計測するにはどうすればいいでしょうか。

  このページは、パルスの周波数または周期を、弊社製品のカウンタを使用して高分解能で計測する方法を記述しています。 本ページの最下段で、自動レンジで動作する周波数およびパルス周期計測の、ソースプログラムと実行ファイルのダウンロードができます。

1MHzに近い高い周波数の場合

  カウント入力に測定対象となるパルスを入力し、テスト用として出力している0.5Hzの信号をゲート入力に接続します。 この接続でパルス間隔計測モードにて動作させると、2秒間の入力パルス数を計測することになり、測定対象信号の周波数×2 の値を読取ることができます。

  たとえば100KHzの信号では、200,000カウントとなりますが、10KHzの信号では 20,000カウントとなり、 この方法では周波数が下がると十分な分解能とはいえなくなります。

10Hz以下の低い周波数の場合

  ゲート入力に測定対象となるパルスを入力し、テスト用として出力している1MHzの信号をカウント入力に接続します。 この接続でパルス間隔計測モードにて動作させると、測定対象信号のパルス間隔で、1MHzクロックのカウント値、すなわちパルス周期を読取ることができます。

  たとえば10Hzの信号では、100,000カウントとなりますが、100Hzの信号では 10,000カウントとなり、 この方法では周波数が上がると十分な分解能とはいえなくなります。

広い範囲の周波数での高分解能計測方法

  パルス間隔計測モードにてパルス幅を計測することになりますが、測定対象信号の1サイクル分では、1MHzのクロックをカウントするには時間が短すぎるため、 10~10,000サイクル分の時間に引き延ばして計測する方法となります。
  弊社のカウンタ基板(ユニット)は、3ch分のカウンタを実装しています。このうちの2ch(たとえばch0とch1)を使用して計測を行います。
  (1) カウンタch1のカウント入力(bit4)に測定対象信号を入力し、カウント最終値を指定し、最終値にて停止しない設定として、測定対象信号を分周します。 分周した信号はデジタル出力(bit18)にあらわれます。たとえばカウント最終値を499とした場合は、1/1000の分周となります。 (解説) 0~499のカウントで500となり、OFF出力にて500カウント、ON出力てに500カウントの合計1,000カウント分が、分周出力の周期となります。
  (2) 分周出力(デジタル出力bit18)を、カウンタch0のゲート入力(bit3)に接続します。
  (3) テスト用として出力している1MHzの信号(デジタル出力bit12)を、ch0のカウント入力(bit0)に接続します。 カウンタch0, ch1のこのほかの入力はLowに(0Vに接続)します。
  (4) パルス間隔計測モードにてch0のパルス間隔(周期)を読取ります。

  たとえば、10KHz信号の測定で 1/10,000の分周、1KHz信号の測定で 1/1,000の分周、100Hz信号の測定で 1/100の分周とすると、 いずれの場合でも1,000,000カウント付近にて十分な分解能となります。また測定間隔は1秒間となります。測定間隔が1秒から数秒程度となるように分周率を設定するのがポイントです。

  カウンタ設定例 (送信コマンドの例)
  (1) M0201387(CR) M0300000(CR) カウンタch1のカウント最終値に4999をセットします。
  この設定例にて、分周値は 1/10000 になります。
  (2) M021(CR) カウンタch1のカウント値をリセットします。(分周値を変更したとき必要です)
  (3) M028(CR) カウンタch1のカウントをスタートさせます。
  (4) M014(CR) カウンタch0をパルス間隔計測モードにします。
  (5) M008(CR) カウンタch0のカウントをスタートさせます。
  この後、M06(CR) M07(CR) を送信して、カウンタch0のホールドレジスタ値を読取れば、 計測対象のパルス間隔(μs)×10000 のカウント値が取得できます。

  以上の設定の後、周波数が広い範囲で変化する用途では、(1)と(2)の手順のみで、適切な分周値に変更できます。

サンプルプログラム

  こちらをクリック → パルス周期計測プログラム ダウンロード

  自動レンジで動作する周波数およびパルス周期計測のソースプログラムと実行ファイルです。 カウンタ基板の信号接続は、前項に説明している通りとしてください。 スペースキーを押すと、自動モード/固定モードが切り替わります。固定モードのとき「+キー」と「-キー」で分周値を手動で変更することができます。

 測定周波数範囲 1Hz~900KHz   有効桁 6桁

  サンプルプログラムでは、自動レンジ機能および無信号時対応の部分が、処理の大半を占めています。 測定する信号の周波数がある程度決まっている用途の場合では、固定した分周値の動作に絞れば、もっと簡単な処理となります。

 
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