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パソコン応用の計測制御機器には 絶縁が重要 |
計測制御の分野で機器間を電気的に絶縁するのは、大変に大きな意味があります。
絶縁されているシステムと、そうではないシステムでは、動作の安定に格段の差がでてまいります。
絶縁されているシステムでは、外来ノイズによる誤動作とか機器故障のトラブルは大幅に減少します。
コストアップとはなりますが、弊社では、絶縁仕様のシステム構築をおすすめしています。
絶縁が必要となる典型的な例
まず、絶縁が必要となる典型的なケースをご紹介します。
それは、システムの動作中に、計測対象となる機器との接続とか切り離しがあるような場合です。
電気系技術の常識では、動作中に機器の接続を行うようなことは、無謀な行為とされていますが、
計測器のような場合は、必ずしもこの常識をきちんと守るというわけにはまいりません。
機器の動作中に計測器を接続する必要がしばしば発生します。
脱着自由という誤解
USBインターフェイスは、パソコンの動作中でも、
USBプラグの脱着を行ってもいいことになっているのはよく知られています。
この機能は USBの便利な一面なのですが、このことが、計測対象となる機器も、動作中に自由に脱着できるというような、
誤解を生む結果となっています。すなわち、仮に絶縁をしていないUSBインターフェイス接続の計測ユニットがあったとしますと、
計測ユニットのアナログ入力チャンネルを、計測対象につないだり、はずしたり、自由にはできないということを、
気がつかないでいるケースがあります。
計測対象をなぜ脱着できないのか
USBプラグを差し込む動作では、差し込んだ時点で初めてUSB機器に電源が入り、
その時点からわずかのタイムラグの後に、USBインターフェイス機能が働き始めます。
仮に、接続時にノイズなどがあったとしても、その時点ではUSBインターフェイスは機能していないので、
何も問題となることはありません。しかしながら、すでにUSBケーブルが接続されていて、
USBインターフェイスが機能している状態では結果が異なります。
計測対象となる機器のアナログチャンネルをインターフェイスボードに接続しようとすると、
インターフェイスと接続機器間の電位差とか、誘導ノイズなどの影響で、
USBインターフェイスに(特にコモンラインに)不測の電流(ノイズ)が回り込みます。
アプリケーションソフトが停止しているときでも、USBケーブルには、常にパソコンとデバイス間の信号送受信があるため、
このノイズが原因となって、USBインターフェイスがハングアップしてしまうことがあります。
ボード開発中にはこんな注意をしています
ご参考までに、USBインターフェイスボードを弊社にて開発している段階でのお話をいたします。
たとえば、USBインターフェイス部分の内部動作確認のために、オシロスコープを接続することがしばしばありますが、
このような場合は、必ず、ボードを動作させる前に、オシロスコープの0V(GND)クリップをボードの0Vに接続しておくようにします。
これを忘れて、動作中に0Vクリップを接続すると、運が悪いときには、USBインターフェイスが停止してしまうという事態が発生します。
絶縁はこのようなトラブルを解消する有効な手段です
計測ユニットのような場合、パソコンが稼働中に、
計測対象にアナログ入力チャンネルをクリップで接続するというような使用方法は、ごく一般的におこなわれます。
むしろ、アナログ入力チャンネルを接続してから、パソコンを起動するという場合の方が少ないと考えられます。
そこで、USBインターフェイスとアナログ入力チャンネルの絶縁が必要になってきます。
弊社製品の15BXシリーズでは、アナログ回路部分に絶縁アンプを使用して、USBインターフェイスとアナログ入力チャンネルを絶縁しています。
この構成にて、アナログチャンネル接続時のノイズ回り込みを防いでいます。
弊社製品でのさまざまな絶縁方法
・15BXシリーズ
アナログ回路部分に絶縁アンプを使用して絶縁しています。
この絶縁方法は、計測結果にノイズが混入することも防いでいます。
・DACS-8200シリーズ
USBインターフェイス回路にSilicon Labs製の絶縁素子を使用して絶縁しています。
・DACS-2500Dシリーズ
デジタル入出力回路部分をフォトカプラまたはフォトMOSリレーにて絶縁しています。
・TTL信号絶縁 DACS-2460 ・RS422差動入力信号絶縁 DACS-2422
Silicon Labs製の絶縁素子を使用している絶縁アダプタ基板です。
・USBインターフェイス絶縁アダプタ DACS-USBISO を使用する方法
USBケーブルの途中でUSBインターフェイス信号自体を絶縁します。
すべてのDACS製品に使用可能です。
計測ユニットの例ばかりでなく、たとえば検査装置を構築した場合も、USBインターフェイスを動作させた状態で、
デジタル入出力やアナログ入出力の接続/脱着を頻繁に繰り返すことになり、絶縁が必要となります。また一般的な計測制御機器接続の場合でも、
コモンラインのノイズの回り込みを防いで、システムとして安定した動作をさせるために、絶縁は有効な方法となります。
なにがなんでも絶縁が必要というわけではありませんが
一方で、なにがなんでも絶縁が必要というわけでもありません。
動作中の接続と脱着がない場合、IOの配線長が30cmまでの場合で、それより先に非絶縁の機器接続がないような場合は、
非絶縁のままで問題なく使用できます。
また、モーションコントローラのように、基板に接続する相手先のモータドライバ側で、入出力信号を絶縁しているのが一般的な場合もあります。
ノイズで誤動作というトラブルが発生する場合、0Vラインを共通にしたまま長く延ばしていることが原因で、
誘導のノイズなどの回り込みが発生している例が多々あります。0Vラインが長くて配線が複雑になればなるほど、
信号線と0V線をツイストペア にすることが困難になって、信号の往復路が大きなループ状になり、
いっそうノイズの影響を受けやすくなるということもあります。
このような問題を生じさせないようにするためにも、絶縁仕様のシステム構築をおすすめするしだいです。
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