ロータリーエンコーダの
原点パルスとカウンタ

  ロータリーエンコーダには、位置カウント用のA相/B相信号のほかに、Z相(原点パルス)出力を備えているものがあります。

  このページは、ロータリーエンコーダのZ相とカウンタ機能の関連を記述しています。

  このページで記述している内容は、 カウンタ基板(カウンタユニット)DACS-2500K-(S)CNTDACS-2500KB-SCN3多機能計測制御ボード DACS-G400 で有効です。

Z相を利用した最も簡便な原点設定方法 ?

  Z相は、ロータリーエンコーダの1回転中に、一回だけパルスを出力します。

  (1) Z相(原点パルス)出力をカウンタの汎用デジタル入力に接続しておきます。
  (2) ロータリーエンコーダをゆっくりとまわして、入力状態をソフトウェアで監視します。
  (3) 入力がONとなった時点で、ソフトウェアでカウンタをリセットします。

  しかしながら、この方法には大きな難点があります。
  まず、ロータリーエンコーダをゆっくりと回転させたとしても、原点パルスは一瞬(数m秒間)ONとなるだけですので、 アプリケーションソフトで、ONの瞬間をとらえるのは至難の方法となります。 また、仮にとらえられたとしても、リセットまでの時間差のため、正確な位置に原点設定を行うことはできません。

カウンタの原点設定機能を利用する方法

  Z相信号をカウンタのリセット入力に接続し、原点パルスがONとなったときに、カウンタリセットがかかるようにしておきます。 このカウンタリセットは、カウンタのハードウェア機能にて実行するため、正確に原点設定を行うことができます。
  このままでは、原点パルス位置にくるたびにカウンタがリセットされてしまいますので、 原点設定完了後は外部入力によるリセット機能を無効とします。 カウンタ0番の例で M002 を送信するとリセット機能が無効になります。 これにより、それ以降は通常のカウントを継続することができます。

原点設定機能の利用例

  (1) Z相信号をカウンタのリセット入力に接続しておきます。
  (2) 原点付近でON/OFFが変化するリミットスイッチを設置します。
  (3) 上記リミットスイッチの入力を、カウンタの汎用デジタル入力に接続しておきます。
  (4) カウンタのリセット入力が有効な状態で移動させます。
  (5) リミットスイッチがONからOFF(OFFからON)に変化した時点で移動を停止します。
  (6) カウンタのリセット入力を無効とします。    これにて原点設定完了です。

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